こんにちは。主婦投資家のYUICOです。
「つみたてNISAはこの9本から選びなさい」を読了したので、レビューします✿
これからNISAを始める方にとって、一番つまずくポイントが「銘柄選び」だと思います。
長期で積み立てるにあたって、一番良いものを選びたいですよね。
かといって、調べるのは面倒だし・・と先延ばしにしている方も多いのではないでしょうか?
本で勉強しようにも、つみたてNISAの本だけでもたくさんありますし、専門用語が多いので読むのにも時間がかかります。
そんな方に向けて、NISA運用歴8年以上で、そこそこ知識のある自分から見ても、良本だと思えるものをご紹介したいと思います✿
この本をオススメする理由
つみたてNISAの1から10まで説明してくれて、1日でサクッと読めます^^
私自身は、新しい情報を取り入れたいと思い、2022年3月出版のこの本を手に取りました。
読んでみると、本書に書かれている重要なポイントは、数年で変わるものではなかったので、長く活用できる本だと思います。
最近は、SNSでも投資に関する情報が溢れていて、手軽に調べることができますよね。
一方で、「YouTube等でオススメしている銘柄をそのまま鵜呑みにしても良いのか・・?」という不安もあると思います。
実際、本と比べてしまうと、内容の薄いものも多くあります。
1から10までを知りたいと思うと、何本も動画を観なければなりませんし、検索で自分の調べたい以上の情報を集めるのはなかなか難しいですよね。
本書は、おおまかにいうと、投資をする意義→つみたてNISAの制度→選ぶべき商品という構成になっています。
「オススメ銘柄」だけにフォーカスした情報ではなく、投資について、一連の流れで理解することができます✿
投資を推奨する国の意図も読み取れる内容となっているので、「なぜこんなにもNISA、NISAと言われているのだろう?」という疑問も解消できるかと思います^^
著者は、投信運用会社の代表という立場でありながら、読者(投資家)の利益を第一に考え、中立的な意見で本書を執筆している点も、良心的だなと思ったポイントです。
著者のプロフィール
以下は、著者のプロフィールです。
中野晴啓(なかの・はるひろ)
引用:Amazon.co.jp 最新版 つみたてNISAはこの9本から選びなさい Kindle版
セゾン投信代表取締役会長CEO
一般社団法人投資信託協会副会長、公益財団法人セゾン文化財団理事
1987 年明治大学商学部卒業、クレディセゾン入社。2006 年セゾン投信を設立。2020年6月より現職。
つみたてで、コツコツと資産をふやす長期投資を提言、国際分散型投資信託2本を15年以上運用し、
個人の長期資産形成を支えている。客観的な定量評価を行う複数のファンドアワードで連続受賞。
口座開設数16万人、預かり資産4700 億円を突破。
主な著書に『最新版 投資信託はこの9本から選びなさい』『投資信託はこうして買いなさい』他多数。
目次
以下は、本書の目次です。
プロローグ「つみたてNISA」でお金に困らない人生を手に入れよう
第1章 どうしたら「お金に困らない人生」を手に入れられるのか
第2章 おトクな制度の中で「つみたてNISA」が最強の理由
第3章 つみたてNISAを始める前に知っておきたい「投資信託」の「裏知識」
第4章 誰も教えてくれなかった! 本当にいい投資信託を選ぶ時に大事なこと
第5章 投資信託、つみたてNISAについて本当に知りたいこと
【特別対談】「長期・分散・積立投資」こそが、投信の王道だ!
3つの要点
①長期投資とは「永久に運用し続けること」
(前略)それは、現役を退いた後もお金を運用し続けるという発想です。まさに、ここに長期投資の真髄があるといってもいいでしょう。 よく、「定年になったらリスクを極力避け、それまでに作った資産は預貯金などの安定資産で運用するのが理想」と言われますが、私が考えるに、これは明らかな間違いです。
出典:つみたてNISAはこの9本から選びなさい 中野 晴啓
20代・30代の方のつみたてNISAの資金使途と言えば、「住宅の購入資金や子どもの学費、余れば老後の備えに・・」と想定されている方が多いと思います。
しかし、著者の言う長期投資は、10年でも20年でもなく「永久に運用し続けること」です。
人生100年時代と言われている今、仮に60歳で定年を迎えた後、残りの40年近くを公的年金と貯蓄だけで暮らしていくには、不安が残ります。
どれだけたくさん準備しても、足りなくなったらどうしようという不安です。
「お金に困らない人生」を手に入れるためにも、運用し続けることの重要性に、本書を通じて気付かされます。
日本では「危ない」「難しそう」「ふつうの人はできない」といった負のイメージがつきまといがちな投資信託ですが、投資の先進国である米国で、個人が資産形成をするのに欠かせないのが、投資信託を用いた長期投資です。 たとえば1934年に設定された「アメリカン・ファンズ・インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ」(ICAファンド)という株式ファンドがあります。設定以来、戦争や不況、金融危機などを乗り越え、なんと87年を経て平均利回り(複利)は12・04%(2020年12月末現在)。毎月1万円ずつ積み立てを続けているだけで、現在は約334億円になっています。
出典:つみたてNISAはこの9本から選びなさい 中野 晴啓
投資大国アメリカの例には、説得力があります。
日本ではうまく機能してこなかった投資信託ですが、新NISAが始まることで、流れが変わりそうです。
今後の日本においても、投資は生活から切っても切り離せないものとなっていきそうですね。
②6つの選択基準
私は「つみたてNISAはこの9本から選びなさい」という題名から、その9本だけをとりあえずチェックしようと、本屋さんで足を止めました。
しかし、結局は選択基準やその根拠を知りたくなります。
むしろ、そこが納得できていないと、選ぶ銘柄も変わってきます。
テンポ良くサクサクと読めるので、ぜひ根拠までご覧になってみてください^^
ちなみに、つみたてNISAの対象ファンドは、2022年12月21日時点で217本です。
これは、金融庁の考える「長期の資産形成にふさわしい投資信託」の条件をクリアしたものです。
その中でも、著者の考える選択基準を満たすファンドは9本だけでした。
以下は、その選択基準です。
買ってもいい投資信託の選定条件は、以下の6つ。
引用:Amazon.co.jp 最新版 つみたてNISAはこの9本から選びなさい 単行本(ソフトカバー) – 2022/3/16
●世界へ分散して投資している(国際分散投資)
●国内(日本)資産の比率は3分の1以下
●日本株が入っているもの
●為替ヘッジなしのもの
●純資産総額が50億円以上のもの
●「ターゲットイヤーファンド」は外す
私としては、この条件の中に、すごく意外なものはなかったと思います。
しかし、これらすべてを満たすファンドが9本だけというのは、とても意外でした。
今後も投資を続けていくなら、ぜひ知っておきたい選択基準です。
③6つの条件を満たしたファンド、9本!
本書では、6つの選択基準を元にスクリーニングし、残った9本のファンドが紹介されています。
ここからは、専門用語がそれなりに多くなります。
難しいと感じた部分や、気になるファンドがあれば、証券会社の商品ページで直接見てみることをオススメします。
また、本書では、インベスターリターンとトータルリターンが比較できるのも魅力です。
インベスターリターンは、その投資信託を保有している投資家(受益者)が実際に享受したリターンの平均値と言えます。(中略)
トータルリターンは、あらかじめ決められた一定の期間中に基準価額がどれだけ値上がり(値下がり)したのかを示す、対象ファンドそのものの運用成績です。
出典:つみたてNISAはこの9本から選びなさい 中野 晴啓
「安く買って、高く売る」ことが、投資信託の基本的な利益の出し方です。
そして、その最も堅実な方法が「長期・積立・分散投資」です。
これができている投資信託のインベスターリターンは高くなります。
投資家が適切な投資行動を取れている、安定した投資信託ということです。
本書では、インベスターリターンがトータルリターンを上回っている銘柄が理想と述べられています。
ファンドごとの紹介ページで、2つのリターンを確認することができます✿
この本がオススメの人
・長期投資を考えている人
・つみたてを辞めようか悩んでいる人
まず、大前提として、著者は「長期投資」を提言しています。
つみたてNISAと題名に入っていることから、短期売買をされる方は最初から手に取らないかとは思いますが、長期投資でコツコツ資産を増やす方法が載っています。
また、6つの選択基準には「世界へ分散して投資している(国際分散投資)」ことが入っています。
そのため、本書で紹介されている9本の投資信託も、それなりに値動きが大きくなります。
この中から銘柄を選ぶのであれば、多少の値動きがあっても、世界経済の成長を信じて、つみたてを続けることが大事です。
(世界経済の成長の根拠については、本書内でも説明されています^^)
とはいっても、投資初心者の方であれば、つみたてを開始してすぐにマイナスが続けば、不安になってしまうと思います。
本書では、相場が下がっているときこそ、つみたてを継続する重要性を示しています。
これから投資を始める方はもちろん、現在つみたてを続けるかどうか悩んでいる方にも、ぜひ読んでいただきたい本です。
感想
読み進める中で、共感できる点が多かったため、すらすらと内容が入ってきました。
1点、私が投資をする上で取り入れていなかった部分としては、「世界へ分散して投資する(国際分散投資)」という点です。
「結局、相場を左右するのは米国株で、リスク分散のために他国の株を含めても、米国株が下がるときは他国の株も下がるから」というのが私の考えです。
しかし、本書はリスク分散のためというよりも「どこのエリアが成長するかわからないから」という考えのもと、新興国を含めた国際分散投資を推奨しています。
そして、やみくもに全世界への投資を推奨しているわけではありません。
投資信託は、本来、長期投資で、経済が成長するところへお金を乗せて(投資して)、増やしていくものです。ですから、非常にざっくり言うと、株式や債券への資産配分比率を、その時々のマーケットの状況に応じて、どのように変えたのかによって、資産運用のリターンが決まってくるのです。
出典:つみたてNISAはこの9本から選びなさい 中野 晴啓
投資信託は、自身で売買して銘柄を入れ替えなくても、投資信託の中で投資対象や資産配分を変更することができます。
その時々のマーケットの状況に応じて、ポートフォリオを変更できる、投資信託のメリットを活かした運用の仕方です。
特に、著者の考え方で言うと、「全世界にバランスよく投資をする」のではなく、「市場の時価総額で投資配分比率を決める」ことが重要です。
個人的には、ここが本書で最も重要なポイントだったと思います。
銘柄によっては、前者である場合も、事前に投資配分比率を固定している場合もあるので、ぜひ一度確認してみてください。
なかなか手を出しづらい新興国の株式などにも、分散投資できることは確かに魅力的です。
運用期間が長期であれば、なおさら効果の高いものとなりそうです。
目先数年の話ではなく、20年・30年先の資産形成として考えるのなら、国際分散投資はかなり良い選択肢なのだろうと思います。
著者の他の書籍
こちらも気になっている本です。
特に、投資初心者の方からの口コミが良いです✿
当時3000本以上あった投資信託の中から、9本を選定しています。
2013年出版ではありますが、銘柄の選択基準や考え方は、数年で変わるものではありません。
投資信託の入門書として、こちらも長く活用できそうです。
まとめ
現在、注目を集めている「資産所得倍増プラン」の3本の柱の1つに「金融教育の普及」があります。
これからの生活に、金融リテラシーは必須になることでしょう。
ランキングなどに流されず、本当に良い銘柄を選ぶためにも、一度は勉強する機会を設けておきたいものです。
一方で、私のように資産運用が趣味・・みたいな人でない限り、なかなか勉強するのも難しいと思います。
その点、本書は1日あれば読了できる読みやすさで、長期の資産形成に最適な投資信託の選び方や考え方を学ぶことができます。
銀行窓口などで勧められるままに、なんとなく始めた・・という人とは、将来きっと差が付くはずです。
私自身も、一度では理解しきれなかった部分の復習や重要ポイントの確認のために、読み返すようにしています✿
当ブログを読んでくださっている皆さまの、将来の資産形成にお役立ていただければ、私もうれしいです。
コメント