こんにちは。主婦投資家のYUICOです。
本記事では、2023年10月27日に新しく運用を開始した「楽天・S&P500インデックス・ファンド(愛称:楽天・S&P500)」について、解説します。
S&P500に連動する投資信託として人気の「eMAXIS Slim(イーマクシススリム)米国株式(S&P500)」とも比較していきます。
\この記事はこんな方にオススメ/
・楽天証券で「S&P500連動型の投資信託」を購入したい方
・既に「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」に投資している方
・新商品「楽天・S&P500インデックス・ファンド」について知りたい方
\「銘柄選びで悩んでいる」という方は、こちらの記事もご参考にしてください/
\そもそもS&P500って?という方はこちらで解説しています/
楽天・S&P500インデックス・ファンドとは?
「楽天・S&P500インデックス・ファンド」とは、「S&P500インデックス (円換算ベース)」に連動する投資成果を目指す投資信託です。
2023年10月27日に、新しく運用が開始されました。
愛称は「楽天・S&P500」です。
2024年3月現在、購入できるのは、楽天証券1社となっています。
評判・評価
早速ですが、運用開始から約5ヵ月が経った「楽天・S&P500インデックス・ファンド」の評価を見ていきましょう。
純資産額の推移
純資産残高を見れば、どれだけのお金がこのファンドに集まっているかがわかります。
下のグラフの緑の部分が、純資産残高です。
この短期間で1,000億円を突破し、右肩上がりに資金が流入していることがわかります。
ランキング
次に、楽天証券の全銘柄ランキングです。
買い付けランキング 3位
積立設定件数ランキング 3位
買い付けランキングは前回更新時(2023年12月)は6位でしたが、3位に上昇しました。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)には及びませんが、注目度の高い商品であることがわかります。
【比較】楽天・S&P500インデックス・ファンドとeMAXIS Slim米国株式(S&P500)
続いて、S&P500連動型の投資信託の中で、現在最も人気の高い「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」と比較していきます。
楽天証券でこれからS&P500に投資をしたいと思ったら、まずこの2銘柄が候補に挙がってくるのかなと思います。
運用会社
「楽天・S&P500インデックス・ファンド」の運用会社は、楽天投信投資顧問です。
「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は、三菱UFJアセットマネジメント(旧:三菱UFJ国際投信)です。
運用管理費用(信託報酬)
どちらも購入時手数料・信託財産留保額はかかりません。
コストの低さで有名なeMAXIS Slimシリーズですが、楽天・S&P500は、それをさらに上回ります。
楽天・S&P500インデックス・ファンド
年率0.077%(税込)
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
年率0.09372%以内(税込)
※信託報酬は、投資信託の中から日々差し引かれるものなので、別途かかるわけではありません。
設定当初は同じ水準でしたが、楽天・S&P500が12月1日付で、信託報酬の引き下げを行いました。
価格変動などを考慮しない、かなりざっくりとした説明です!
投資信託を100万円保有したとして、年間で770円差し引かれるか、937円差し引かれるか、という違いです。
運用管理費用が1万円かかるファンドも普通にあるので、どちらを選んでも気にならないくらい安いです。
楽天・S&P500には、さらにポイントバックもあります。
これについては後ほど解説していきます。
ちなみに、実質コストは以下の通りです。
楽天・S&P500インデックス・ファンド
決算前のため不明
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
年率0.108%(2022年4月26日~2023年4月25日)
実質コストとは?
信託報酬に加え、売買委託手数料や、有価証券等を海外で保管した際に、海外の保管機関に支払われる費用などを含めた費用のことです。
最終的に支払った費用は、投信運用会社HPの運用報告書から確認できます。
信託報酬等のように事前に示されるものではないので、証券会社の商品ページや目論見書から確認はできません。
(「隠れコスト」とも言われていますが、隠しているわけではありません^^)
トラッキングエラーとリターン
トラッキングエラーとは、ファンドとベンチマークのリターンの乖離のことです。
0に近いほど、ベンチマークに連動した運用ができていることを意味します。
楽天証券では、商品ページ下部「リスクリターン(税引前)詳細」で確認できます。
楽天・S&P500は、運用期間が6か月に満たないため、直近の月次レポートを参考に比較します。
【騰落率】
楽天・S&P500 | eMAXIS Slim米国株式 | ベンチマーク | ||
1か月 | 7.2% | 7.2% | 7.2% | |
3か月 | 17.0% | 17.0% | 17.0% | |
6か月 | – | 13.2% | 13.1% | |
1年 | – | 40.5% | 40.2% | |
3年 | – | 90.8% | 89.8% | |
設定来 | 15.8% | 160.3% | 15.8% | 157.9% |
短期で見れば、どちらもベンチマークに連動した運用ができていますね。
1点注意です。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、長期で見るとベンチマークよりも高いリターンを出しています。
しかし、以前マイナスに振れた際には、ベンチマークよりも大きなマイナスになっていました。
そういったリスクもあることを理解した上で、選ぶようにしましょう。
ちなみに、チャートで比較するとこんな感じです。
ほぼ一致して見えますね^^;
数値を確認すると、楽天・S&P500が運用を開始した2023年10月27日からでは、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)のほうがわずかにパフォーマンスが良いです。
しかし、11月以降は楽天・S&P500のほうがリターンが高くなっています。
(期間別のリターンは、楽天証券HPの銘柄比較で確認することができます。)
楽天・S&P500は運用開始から日が浅く、資金も急激に増えている状況です。
安定してベンチマークに連動させられるかどうかは、今後も運用実績を見てみないとわかりません。
ベンチマークに連動した運用ができれば、コストが安い楽天・S&P500のほうがリターンが高くなる可能性は十分にあり得ますね。
大手ネット証券の主力となる商品なので、過度な心配はいらないかな?というのが、個人的な感想です!
楽天「投信残高ポイントプログラム」
楽天証券では、対象商品の保有残高に応じて、ポイントバックされます。
よくある「ただし上限いくらまで」という注意書きもありません。
運用管理費用(信託報酬)の安さに加えてポイントバックもあるのは、魅力的ですね!
ただし、ポイントは再投資に充てない限り、複利効果はありません。
今のところ長期で貯蓄するものでもありません。
単純に運用管理費用(信託報酬)から引いて計算する・・という風に考えるのは、オススメできません。
ちなみに、プログラム詳細ページから、以下の文言を見つけました。
一般的に投資信託に係る運用コストとしては、信託報酬の他にも売買委託手数料やその他費用(保管費用等)など、投資信託財産を通じて間接的にご負担いただく費用があります。信託報酬率につき他社類似ファンドが引き下げを行った場合、当ファンドの信託報酬率も見直しを行い、業界最低水準にすることを目指します。ただし、これを実現することを保証するものではなく、また、他社類似ファンドが信託報酬率の引き下げを行った場合、業界最低水準ではない期間が存在する点、ご留意ください。
引用:楽天証券 投信残高ポイントプログラム
一般的に、規模の大きい投資信託の方が、コストを下げやすいのですが、楽天の力にも期待してみたくなりますね。
純資産額
純資産額は、投資信託の規模を表します。
多いほうが、おすすめです!
2024.03.13現在の純資産額は、以下のとおりです。
楽天・S&P500インデックス・ファンド
1174億72百万円
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
3兆9011億69百万円
ちなみに、前回更新時(2023年12月)からの純資産額の推移は、このようになっています。
楽天・S&P500インデックス・ファンド
118億56百万円⇢1174億72百万円
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
2兆9784億83百万円⇢3兆9011億69百万円
1,000億円以上も増えた楽天・S&P500もすごいけれど、1兆円近く増えたeMAXIS Slimの人気は凄まじい!
投資信託には、「繰上償還」といって、運用を途中で辞めてしまうことが稀にあります。
もちろん償還されたお金は戻ってきますが、投資家にとって繰上償還はデメリットしかありません。
繰上償還の判断基準の1つに、ざっくりですが「純資産額が30億円程度を下回ること」があります。
こういった銘柄を避けるためにも、純資産額は最低でも50億円以上あるファンドが無難と言われています。
この基準で言うと、楽天・S&P500もクリアしています。
一方、純資産額が大きいというのは、コスト面でもメリットがあります。
下は、三菱UFJアセットマネジメント(旧:三菱UFJ国際投信)野尻氏のコメントです。
ファンドの投資資産の売買コストについては、複数の会社に注文を出して、コストの最も安い会社に発注している。また、為替のようにオファー・ビット(売値・買値)にコストが織り込まれているものについても、有利な条件を提示する会社を探す。さらに、保有株式を証券会社等にレンディング(貸株)することで、貸借料を獲得し、コストの埋め合わせに充てている。
こうした対応は、いずれも運用規模が大きいほど交渉力が高まり、お客さまにメリットをより享受していただきやすくなる。純資産額の大きいファンドには、アドバンテッジ(強み)がある。
引用:時事フィナンシャルソリューションズ 「インデックス・ファンド、運用の工夫を競う=コスト下げ、連動性を高める-三菱UFJ国際投信・野尻氏」 2022年03月24日 09時00分
現時点で、運用管理費用(信託報酬)が安いのは楽天・S&P500ですが、将来的に、また最終的な実質コストを確認するまではわかりません^^
運用方法
マザーファンド方式
【楽天・S&P500インデックス・ファンド】
ファミリーファンド方式と言って、複数のベビーファンドと呼ばれる投資信託からお金を集めて、マザーファンドと呼ばれる投資信託に投資します。
この場合、「楽天・S&P500インデックス・ファンド」がベビーファンドです。
マザーファンドが一括して株式に投資するため、大規模で効率の良い運用が可能となります。
【eMAXIS Slim米国株式(S&P500)】
同じくファミリーファンド方式を採用しています。
「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」がベビーファンドで、「S&P500インデックスマザーファンド」に投資します。
投資比率
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、先物取引等を利用し、投資比率が100%を超えることがあります。
現金を残さない分、効率の良い運用ができますが、値動きも大きくなる傾向があります。
楽天・S&P500も同様の仕組みのようですが、1月時点で投資比率は100%を超えていませんでした。
※短期金融資産は、流動性の確保や次の投資の待機資金として、一時的に置いておきたいときなどに使います。
【まとめ】結局どっちがいい?
長くなりましたが、「楽天・S&P500インデックス・ファンド」と「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」では、どちらに分があるのでしょうか。
楽天・S&P500 | eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | |
コスト | 〇 | |
リターン | 〇 | 〇 |
純資産額 | 〇 | |
実績 | 〇 |
コストやリターンについては、データが少ない上に僅差です。
しかも、リターンにポイントは含めていません。
(楽天「投信残高ポイントプログラム」でも述べたとおり、個人的にポイントはそこまで重要ではないと考えています。。)
コストやポイント還元といった実利を重視して「楽天・S&P500インデックス・ファンド」を選ぶのか。
それとも、信頼と実績の「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」を選ぶのか。
ここは価値観によるのかなと思います。
とはいえ、銘柄の変更はいつでもできます。
今後の運用状況を見ながら決めるのも良いと思います^^
本記事も、随時更新していく予定ですので、参考にしていただければ幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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