こんにちは。主婦投資家のYUICOです。
本記事では、S&P500に連動する投資信託の中でも、人気銘柄の「eMAXIS Slim(イーマクシススリム)米国株式(S&P500)」と「SBI・V(バンガード)・S&P500インデックス・ファンド」を比較します✿
この2本が人気の理由や、VOO・SPY・IVVなど、ETFとの違いについても解説していきます。
\この記事はこんな方にオススメ/
・S&P500を購入したいけど、色々あってどれを選べば良いかわからない!という方
・投資信託とETFどちらにするか迷っている方
・NYダウ・S&P500・NASDAQ指数など、アメリカの株価指数の違いを知りたい方
【徹底比較】eMAXIS Slim米国株式・SBI・V・S&P500

早速本題です!
5つの観点から、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)とSBI・V(バンガード)・S&P500を比較していきたいと思います。
運用会社
eMAXIS Slim米国株式の運用会社は、三菱UFJ国際投信です。
SBI・V・S&P500は、SBIアセットマネジメントです。

財閥系企業にお勤めの方は、好みが分かれるところかもしれませんね^^
実質コスト(2023.09.26時点)
どちらも、購入時手数料・信託財産留保額はありません。
【実質コスト】
eMAXIS Slim米国株式
年率0.108%(2022年4月26日~2023年4月25日)
SBI・V・S&P500
概算年率0.104%(2021年9月15日~2022年9月14日)
※実質コストは、投資信託の中から日々差し引かれるものなので、別途かかるわけではありません。
パフォーマンスも、すべてのコストが引かれた後の数値です。
どちらも投資信託の中では、非常に安く優秀です✿
実質コストとは?
信託報酬に加え、売買委託手数料や、有価証券等を海外で保管した際に、海外の保管機関に支払われる費用などを含めた費用のことです。
最終的に支払った費用は、投信運用会社HPの運用報告書から確認できます。
信託報酬等のように事前に示されるものではないので、証券会社の商品ページや目論見書から確認はできません。
(「隠れコスト」とも言われていますが、隠しているわけではありません^^)
信託財産にかかる監査報酬、信託事務の処理に要する諸費用、法定書類(目論見書、運用報告書等)の作成・印刷・交付にかかる費用、組入有価証券の売買の際に発生する売買委託手数料、外貨建資産の保管に要する費用等の費用は、原則として受益者の負担とし、信託財産中から支払われます。有価証券の貸付取引を行った場合、貸付有価証券関連報酬として信託財産の収益となる品貸料に0.55(税抜0.5)以内を乗じて得た額が、原則として受益者の負担として信託財産中から支払われます。なお、これらの費用は、運用状況などにより変動するものであり、事前に料率、上限額などを示すことができません。
引用:SBI・V・S&P500インデックス・ファンド 投資信託説明書(交付目論見書)使用開始日 2023.6.15

ご参考までに、信託報酬は
eMAXIS Slim米国株式が年率0.09372%以内、
SBI・V・S&P500が年率0.0938%程度です。
純資産額(2023.09.26時点)
eMAXIS Slim米国株式
2兆6093億54百万円
SBI・V・S&P500
1兆1003億62百万円
この2本は純資産額に差はあるものの、どちらを選んでも問題ないくらいに、大きな純資産額を持っていることがわかります。
投資信託には、「繰上償還」といって、運用を途中で辞めてしまうことが稀にあります。
もちろん償還されたお金は戻ってきますが、投資家にとって繰上償還はデメリットしかありません。
繰上償還の判断基準の1つに、ざっくりですが「純資産額が30億円程度を下回ること」があります。
こういった銘柄を避けるためにも、純資産額は最低でも50億円以上あるファンドが無難と言われています。
運用方法
・eMAXIS Slim米国株式は、「S&P500インデックスマザーファンド」へ投資
ファミリーファンド方式といって、複数のベビーファンドと呼ばれる投資信託からお金を集めて、マザーファンドと呼ばれる投資信託に投資します。
(この場合、eMAXIS Slim米国株式がベビーファンドで、S&P500インデックスマザーファンドに投資します。)
マザーファンドが一括して株式に投資するため、大規模で効率の良い運用が可能となります。

・SBI・V・S&P500は、「バンガード・S&P500ETF」へ投資
同じファミリーファンド方式ですが、SBI・V・S&P500インデックスファンド(ベビーファンド)から、SBI・V・S&P500インデックスマザーファンドに投資し、さらにバンガード・S&P500ETFを通して、株式に投資しています。

どちらもS&P500に連動する投資成果を目指していますが、このように運用方法が異なります。
トータルリターン(2023.09.26時点)
※1.3年は年率換算

eMAXIS Slim米国株式の設定日は、2018/07/03です。
SBI・V・S&P500は、2019/09/26です。
それにしても、設定来から投資していれば、2倍以上に増えたというのは凄まじいですね。
eMAXIS Slim米国株式は、先物取引を利用しており、投資比率が100%を超えることがあるので、値動きが少しだけ大きくなっています。
対象インデックスとの連動を維持するため、先物取引等を利用し株式の実質投資比率
引用: eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 投資信託説明書(交付目論見書)使用開始日 2023.7.25
が100%を超える場合があります。
SBI・V・S&P500は、0.8%は現金等としてマザーファンドに残っています。


運用効率としては、eMAXIS Slim米国株式に分がありそうです。
NYダウ・S&P500・NASDAQ指数の違い

ここからは、「そもそもS&P500って何?」という方に向けて、NYダウやNASDAQ指数との違いについて、簡単にご説明します。
これらはすべて、アメリカの代表的な株価指数です。
証券取引所の種類を押さえておくと、わかりやすいです✿
アメリカの2つの証券取引所
アメリカには、NYSE(ニューヨーク証券取引所)とNASDAQ(ナスダック証券取引所)という、主な2つの証券取引所があります。
それぞれの特徴を簡単にまとめます。
NYSE(ニューヨーク証券取引所)
世界最大の証券取引所です。
NYSEとは、New York Stock Exchangeの略です。
ビッグ・ボード(Big Board)とも呼ばれます。
歴史も古く、大手優良企業が多く上場しています。
NYSEの他、NYSE Arca、NYSE Americanという取引所もあります。
NASDAQ(ナスダック証券取引所)
NYSEに次いで、世界第2位の規模(時価総額)を誇る証券取引所です。
National Association of Securities Dealers Automated Quotationsの略です。(ちょっと覚えられません^^;)
ハイテク関連やインターネット関連の新興企業が多く上場しています。
GAFAM(※)もこちらに含まれます。
※ガーファム。Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoftの頭文字。

以前はオールドエコノミーはNYSE、ニューエコノミーはNASDAQと棲み分けがあったらしいのですが、最近ではその境界線があいまいになってきています。
NYSEの方でも、ニューエコノミーの企業を招致しなければならなくなってきたからです。
続いて、3つの株価指数の説明です。
アメリカの代表的な株価指数
NYダウ(=ダウ・ジョーンズ工業株価平均)
NYSEやNASDAQに上場している、代表的な30銘柄を選出した平均株価指数です。
構成銘柄は、不定期で見直され、その時代に米国を牽引する30社が厳選されています。
「工業」と入っていますが、現在ではもっと幅広い業種から構成されています。
個人投資家からの注目が高い株価指数です。
S&P500
NYSEやNASDAQに上場している、代表的な500銘柄の時価総額を元に算出されます。
S&P500は米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしており、米国株式市場全体の代替とも言われています。
米国株式市場の動向を見る上で、注目される株価指数です。
NASDAQ総合指数
NASDAQに上場しているすべての銘柄約3,000を対象とし、時価総額加重平均で算出されます。
ハイテク関連やインターネット関連の動向を見る上で、注目される株価指数です。
NASDAQ100指数もありますが、こちらはNASDAQに上場している企業のうち、時価総額が上位100の銘柄で構成されています。※金融業は除く、時価総額加重平均

それぞれの指数に連動する投資信託が販売されています。
「アメリカの株式市場全体に投資したい!」と思ったときに最適なのが、S&P500です。
eMAXIS Slim米国株式とSBI・V・S&P500が人気の理由

どちらも購入時手数料無料、信託報酬0.1%以下の商品です。
S&P500に連動する投資信託は数多くありますが、圧倒的にコストが安いのがこの2本です。
インデックスファンドは、投資成果に大きな差は出ないので、コストが安い方がリターンが高くなります。
同じS&P500に連動する銘柄でも、購入時手数料3.3%(税込)、信託報酬0.4785%(年率)というものもありました。
(地銀等の店頭販売ランキングでは上位に入っていますね^^;)
100万円分購入したら、購入時手数料だけでも、3万3千円の差がつきます。
これを10年保有したら、単純計算で3万8千円ほど、信託報酬分で差が出ます。
「手数料が高いほうが良い商品なんじゃないの?」と思いそうですが、特に違いはないので、安いほうが人気があります^^
米国株ETFとの違い

MAXIS Slim米国株式(S&P500)・SBI・V(バンガード)・S&P500は、共に投資信託です。
一方で、S&P500に連動する投資成果を目指す金融商品には、ETFと呼ばれるものもあります。
【比較】投資信託とETF

【投資信託】
基準価額と言われる投資信託の価格は、1営業日1回だけ算出します。
米国株の投資信託の場合、注文した翌営業日の夜に基準価額が決まるため、注文を出す時点では自分がいくらで購入できるのかわかりません。
前日のS&P500の動きを参考に、15時までに注文を出す、という流れになります。
投資信託の良いところは、外国株式口座を作らずに購入できるため、購入時に為替手数料が発生しません。
今回比較する「MAXIS Slim米国株式(S&P500)」「SBI・V・S&P500」は共に、購入時手数料・信託財産留保額がかからないので、信託報酬だけを気にすればOKです^^
また、購入単位100円~、つみたてNISAもOKということで、誰でも簡単に始めることができます。
巷では、ETFの方が信託報酬が安いと言われていますが、その差は年率にして0.08%くらいなので、金額と年数がよほど大きくない限り、大差はつかないでしょう。
売却手数料と為替手数料を上手く抑えないと、むしろETFのほうがコストが高くなる可能性もあります。
【ETF】
ETFとは、上場投資信託のことです。
リアルタイムで取引ができるため、市場価格を見ながら、自分がおおよそいくらで購入できるのかがわかります。
(正確な単価は、注文後に決まります。)
証券会社で外国株式口座を作ることで、購入できるようになります。
ただし、取引時間は米国株式市場が開いている時間帯になるので、日本時間では23:30~翌6:00です。※サマータイム期間中は1時間早まります。
米ドルを持っていれば、米ドルで決済します。(外貨決済)
米ドルがない場合、為替手数料(1ドル0.25円程度)を支払って、円を外貨に換えて決済できます。(円貨決済)
つみたてではなく、繰り返し売買をする場合は、外貨決済にした方が手数料を抑えられます。
下で紹介するETF3本は、買付手数料無料としている証券会社が多いです。
そのため、気にすべきコストは、為替手数料(1ドル0.25円程度)・信託報酬(0.03%程度)・売却手数料(0.495%程度)となります。
キャンペーンも多いので、上手く活用できれば、コストを抑えることができます^^
つみたてNISA対象外、最低購入単位が45,000円以上ということからも、中~上級者向けであるといえます。
S&P500に連動するETF3選!
・VOO(バンガード・S&P 500)
純資産総額[十億 USD] 327.313
経費率 0.03%
1年トータルリターン 19.39%
・SPY(SPDR S&P 500)
純資産総額[十億 USD] 409.561
経費率 0.09%
1年トータルリターン 19.34%
・IVV(iシェアーズ・コア S&P 500)
純資産総額[十億 USD] 338.625
経費率 0.04%
1年トータルリターン 19.40%
(2023/09/25時点)
経費率は、VOOが0.03%と低めです。
設定日は、SPYが1993年と一番長く、純資産額が最も高いです。
逆に、VOOは設定日が2010年と比較的新しいETFで、現在人気も高いです。
トータルリターンは、僅差でIVVが高いです。
このあたりを選んでおけば間違いないかな?という3本です^^
【まとめ】結局どっちがいい?

話を戻しますが、結局「eMAXIS Slim米国株式」と「SBI・V・S&P500」どっちがいいの?という問いに答えます。

強いて言うなら、こんな感じになります。
リターンは、すべてのコストを加味した上で算出するので、どちらかというと「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」がオススメです。
ただし、どちらも僅差ですし、運用会社や運用方法の好みで決めても問題ないと思います。
証券会社によって取り扱いも異なるため、必然的に決まってしまうケースもあります。
ただ、違いがよくわからないまま選ぶのもすっきりしないので、本記事が少しでも疑問解消のお手伝いになれば幸いです^^
「これだけ値上がりしてると、今から始めるのは遅いのでは?」という疑問もよく耳にしますが、アメリカのGDPが伸び続けている限りは、まだまだ期待を持てそうです。
企業の時価総額ランキングを見ても、上位はアメリカが総なめしています。
優秀な人材や技術は、今後もどんどんアメリカに集まりそうです。
最後までお読みいただきありがとうございました✿

当ブログでは、日経平均に連動する投資信託・ETFにて、1日~数か月の取引を記録しています。
こちらもご覧いただけますと嬉しいです^^
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